適正使用ガイド

その他の注意事項

イムセラ投与中止後の注意事項

イムセラ投与中止後の注意事項

  • 本剤の薬物濃度が定常状態に到達した後に2週間を超える休薬をした場合は、投与再開時に心拍数及び房室伝導に対する影響が認められるおそれがあるため、初回投与時と同様の注意、観察を行ってください。なお、休薬期間が2週間以内の場合も、投与再開時は十分に注意してください。
  • また、本剤の薬物濃度が定常状態に到達する前に休薬し、投与を再開する場合は、投与期間や休薬期間を考慮し、初回投与時と同様の注意、観察を行う等十分に注意してください。
  • 本剤投与中止後、リンパ球数が回復するには最長2ヵ月かかる場合があるため、その間は感染症に対し注意が必要です。
  • 投与中止後2ヵ月間は、適切な避妊を徹底するよう指導してください。
  • イムセラは、透析または血漿交換によりほとんど除去されません。
なぜ、「投与中止後2ヵ月間」なのか?

イムセラの血中からの消失には、最長で2ヵ月かかる場合があるため

イムセラは血中消失半減期が長く(6~9日間)、投与中止後の本剤の血中からの消失には最長で2ヵ月かかる場合があります。そのため、投与中止後2ヵ月間はリンパ球数減少作用や胎児への潜在的リスクなどが持続する可能性があり、投与中と同様の注意喚起が必要となります。

休薬後の投与再開について

本剤の休薬後に投与を再開するにあたって、以下のシミュレーションにご留意のうえご使用下さいますようお願い申し上げます。

休薬後の投与再開について

  • 本剤は投与開始時に心拍数低下、房室伝導の遅延が生じることがある。通常、反復投与によりその作用は減弱するが、休薬期間によっては本剤の血中濃度が低下し、初回投与時と同様に心拍数低下、房室伝導の遅延を生じる可能性がある。
    したがって、休薬後に投与を再開する場合は、投与期間や休薬期間を考慮し、初回投与時と同様の注意、観察を行う等十分に注意すること

図 臨床薬理試験データを基にしたシミュレーション

臨床薬理試験の結果から、休薬後にフィンゴリモドの活性代謝物である血液中リン酸化体濃度が0.2ng/mLを下回った場合には、本剤の投与再開時に初回投与時と同様の心拍数低下が認められることが示唆された。
複数の臨床薬理試験のデータに基づき、初回投与後1、2、及び4週間で休薬したときの被検者の血液中リン酸化体濃度をシミュレーションしたところ、休薬後に血液中リン酸化体濃度が0.2ng/mLに達する平均日数は以下のとおりであった。

  • 初回投与後1週間で休薬した場合、休薬から9日間
  • 初回投与後2週間で休薬した場合、休薬から13日間
  • 初回投与後4週間で休薬した場合、休薬から15日間

なお、本データはシミュレーションの結果であるため、
個々の患者における治療中の血中濃度の推移とは差異があることが想定される。

また、参考として欧州における添付文書記載状況を以下に示します。
【参考:欧州における添付文書記載状況】
以下の場合に、初回投与時と同様の注意、観察を行うことが推奨される。

  • 投与開始から2週間以内に1日以上の休薬をした場合
  • 投与開始から2週間を超え4週間以内に8日以上の休薬をした場合
  • 投与開始から4週間を超えた後に2週間を超える休薬をした場合
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