適正使用ガイド

注意すべき副作用とその対策

イムセラを適正にご使用いただくために、本項では注意すべき副作用の概要とその対策などについて紹介します。

イムセラの投与にあたっては、下記の副作用の発現にご注意ください

「初回投与時」の注意事項 ―徐脈性不整脈―

  • イムセラの投与開始時には心拍数低下、房室伝導の遅延が生じることがあるので、循環器を専門とする医師との連携するなど、適切な処置が行える管理下で投与を開始してください。
  • 徐脈性不整脈に関連した徴候又は症状を確認するため、初回投与後少なくとも6時間後までは1時間ごとにバイタルサインの観察を行い、初回投与前及び初回投与6時間後に12誘導心電図を測定してください。また、初回投与後24時間は心拍数及び血圧の測定に加え、連続的に心電図をモニターするなどの十分な観察をしてください。
  • 徐脈性不整脈に関連する徴候又は症状があらわれた場合には、適切な処置を行い、少なくともそれらの徴候・症状が消失し、安定化するまで観察してください。また、次の投与時(翌日又は休薬後再開時)にも心電図をモニターする等、十分な注意、観察を行ってください。

感染症

  • イムセラの薬理作用(末梢血中のリンパ球減少作用)により、本剤投与中に細菌、真菌、ウイルス等による感染症が現れることがあります。
  • 本剤投与開始前に血液検査(血球数算定等)を実施し、投与中も定期的に行ってください。
  • 本剤投与開始前に水痘または帯状疱疹の既往や予防接種の有無を確認し、必要に応じてワクチン接種を考慮してください。
  • 患者に対し、感染症状が現れた場合には直ちに主治医に連絡するよう指導してください。
  • 重篤な感染症が現れた場合には本剤の投与を中断し、適切な処置を行ってください。
  • 海外でナタリズマブ(遺伝子組換え)製剤の治療歴のない患者において、イムセラとの関連性が否定できない進行性多巣性白質脳症(PML)が報告されています。

黄斑浮腫

  • 無症候性も含め、特にイムセラ投与初期には黄斑浮腫が現れることがあります。
  • 黄斑浮腫の初期は視覚症状を伴わない場合があるため、早期発見のためにも、本剤投与開始3~4ヵ月後に眼底検査を含む眼科学的検査を実施し、その結果を入手してください。
  • 糖尿病の患者又はブドウ膜炎の既往歴のある患者では、黄斑浮腫が発現するリスクが増大するため、投与開始前に眼科学的検査を実施し、投与中にも定期的に(投与開始1、3、6ヵ月後、それ以降は6ヵ月ごと等)検査を実施してください。
  • 患者が視覚障害を訴えた場合にも、眼科学的検査を実施してください。
  • 黄斑浮腫が確認された場合には本剤の投与を中断し、適切な処置を行ってください。

※投与開始前と投与後3ヵ月以内の検査が推奨されます

肝機能異常

  • イムセラ投与中に肝機能検査値異常(ALT、AST、γ-GTP等の上昇)が現れることがあります。
  • 本剤投与開始前に肝機能検査(トランスアミナーゼ、ビリルビン等)を実施するとともに、本剤投与中は定期的に肝機能検査を実施してください。
  • 肝機能障害を疑う臨床症状が現れた場合にも肝機能検査を実施し、異常が認められた場合には本剤の投与を中断し、適切な処置を行ってください。

「女性患者」への投与に対しては、特に注意してください

妊娠、胎児に対するリスク(生殖毒性)

  • イムセラ投与中に妊娠した患者において、奇形を有する児が認められたとの報告があります。
  • 妊娠可能な婦人に対しては、本剤の投与を開始する前に、患者が妊娠していないことを確認してください。
  • 妊娠可能な婦人に対しては、本剤が胎児に悪影響を及ぼす可能性があることを十分に説明し、本剤投与期間中および最終投与2ヵ月間は適切な避妊を徹底するよう指導してください。
  • 本剤投与中に妊娠が確認された場合には、直ちに投与を中止してください。
  • 本剤投与中は授乳を避けさせてください。
  1. ホーム
  2. 医療関係者のみなさまへ
  3. 注意すべき副作用とその対策